こんにちは。二俣桂介と申します。
書き継いでいるこの長い論文に、新たに「Ⅶ 負けるな弱者」を書き足した。ここに紹介させていただく。
このホームページを見ている方はほぼいないと思うが、覗く方がいるとしたら、「Ⅰ」~「Ⅵ」は読まずに、この「Ⅶ」から読んでくださればと思う。
疫病と災害の時代は、消費財(食品・日用品など)サプライヤー間の格差を広げる。
お客さまニーズが、短時間・補充・大量目の消費、Aランク商品・大露出品・PBの選択へと偏り、お客さま接点が、人手不足に悩み続けるのではなく、その解決手段である品揃え・販促の絞り込み、EDLP化、とIT活用、による効率化・省力化に突き進みはじめた。
その事態を背景に、売れ筋ブランドを多く持ち、売場をつくる主導権を握っている強者サプライヤーが有利になり、彼らの支配力が高まり、弱者サプライヤーは、徐々にお客さま接点との接触量を減らしていく。それは、業績、シェアとなってあらわれることになる。サプライヤー間格差が拡がる。ますます弱者が強者を超えにくくなる。
弱者とは、市場占有率でトップと大きな開きをもつ下位企業、のことだ。少数の企業ではない。実は大多数の企業がこれにあてはまる。事業別に分けてみたら中心のカテゴリーで市場占有率トップでも、ほかのカテゴリーでは下位という企業も多いはずだ。そもそも、日本の全企業数の99.7%を占める中小企業(従業員で300人以下の製造業300人、100人以下のサービス業・卸売業、50人以下の小売業がこれに該当)はほぼそれにあてはまるだろう。つまり、ほとんどの企業が「弱者」か、もしくは「弱者」事業を持っているといえる。
弱者にも元気なところがいっぱいあって、新陳代謝が起こり続けている-、そんな国であってほしい。また、そうでなくては、「もはや後進国」とのそしりを受けつづけ、このままコロナ禍とともに水没していきかねないではないか、この国の企業たちは。
負けるな弱者!
弱者が強者を超えるのは、強者が過度に乱れないかぎり、偶然には起こらない、すくなくとも戦略がなくては実現しない。
そこで、今回は、弱者は、どんな戦略・戦術でいけば強者を超えていけるのか、を論じた。
大きくはこんな構成になっている。
第1部 負けるな弱者 小が大を超えるには
第2部 旧市場(モノ)・旧組織能力(オフライン・リアル)の領域できちんと利益創出する
第3部 新市場(コト)・新組織能力(オンライン)の領域のどこかに先んじて利益源を創り出す
2021年5月1日
二俣事務所 二俣桂介
二俣桂介
二俣事務所 代表
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●経歴
1960年静岡県浜松市生まれ。明治大学経営学部卒。印刷会社、日本マーケテイング研究所を経て独立、戦略デザイン研究所に参加し、二俣事務所設立。製造業や卸売業の営業力革新プランの立案とその展開サポート、営業コーチングを主に手がけている。
●著書・執筆
・「メーカー営業戦略革新ノート」(東洋経済新報社)
・「考える営業の教科書」(ダイヤモンド社)